大衆芸術ゆえの、悩み。

僕は西洋絵画が好きでよく観に行きます。自分では到底及ばない芸当を、目の当たりにするのが楽しいからです。それに、はるか昔に描かれたものであるのに、絵の持つ迫力や画家の人間性がものすごいパワーを帯びて迫ってくるのは、本当に気持ちがいい。バッサーって風を正面から浴びるような感じ。

一年を通して、都内各所にある美術館には世界各国から展示がやってくる。ひとりの画家を中心に取り上げた展示や、外国の美術館から幾つか作品を借りてくる展示、昔の資産家や王室が所蔵していた個人コレクションの展示など、実に多種多様で飽きることなくいろいろ観に行くことができます。

これはなるべく長く続けていきたい、いける趣味だと思う。なぜなら、以前に観た同じ絵であっても、それらを別の場所、別の時間、以前とは違う心的状況で観たら、その都度違った感想を持てるから。つまり何度も楽しめるということ。ずっと楽しいなんて、これはやめられるわけがありません。

時間が許す限り、出来るだけたくさんの絵を観たい。それこそいろんな場所で。これからが、これからも楽しみ。なにを観て、なにを思うか。苦にならないように(ならないけど)頑張って観続けていきたいですね。

しかし、そういった僕の気持ちとは別に、ただひとつ悩みというか、思うところがあったりします。

それは美術館に行く度に思うのだけれど、展示室は私語厳禁にして欲しいということ。こちらもいろいろ考えながら観ているわけで、大して知識のない人の不確かな情報とか、解説や推論はやめていただきたい。ハッキリ言って邪魔なだけ。そういった類の感想は展示室を出てからにしていただきたいと思うわけです。

きっと知らないから、分からないからあんなに喋り倒すのだろうな。感性を共有しないと不安で仕方がないんだ。だって、人間は知っていることをわざわざ口には出したがらないはずだから。知らないから誰かに訊きたいし、饒舌になってしまう。分からないでもない。

考えちゃいけないわけじゃない、会話をしちゃいけないわけでもない。ただ、それらは心の中で行って欲しいだけ。

まあ、絵画も大衆芸術だからある程度は仕方ないのかもしれないけど。それにしても、大声は本当に迷惑です。これらは中年のおじさんやおばさんに多いので、中年にさしかかってゆく僕も、十分気を付けていかなければならないことなのですが。

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